大阪社保協通信

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1264号 2023.2.7

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大阪社会保障推進協議会

  

24()「大阪府統一国保問題緊急意思統一学習会」を開催〜各地での来年度値上げ情報交流、2.3月議会へ請願行動・国保担当課との緊急懇談を提起。

2023年度大阪府統一国保料率本算定での大幅値上げをうけて、24日標記緊急意思統一学習会をzoomで開催、大阪各地から30人が参加しました。

 前半、以下のレジュメに基づき寺内事務局長より報告と緊急提案があり、後半各地の状況についての意見交換がされました。なお、エクセル資料は大阪社保協ホームページ「国保都道府県単位化問題」ページにアップします。

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1.  2023年度統一保険料率本算定について

 【大阪府資料 2023年度大阪府統一保険料率 本算定】

 

所得割

均等割

平等割

賦課限度額

医療分

9.18%

33,730

33,698

65万円

後期分

2.97%

10,584

10,574

20万円

介護分

2.61%

19,552

0

17万円

 

(参考 2022年度)

 

所得割

均等割

平等割

賦課限度額

医療分

8.71%

31,854

32,105

63万円

後期分

2.66%

9,426

9,500

19万円

介護分

2.48%

18,306

0

17万円

 

16日「令和4年度 第3回大阪府市町村国民健康保険主管課長会議」資料は大阪社保協ホームページ「国民健康保険都道府県単位化問題」ページにすでにアップ済

◆【資料2】には各市町村の一人当保険料が計算されており、府平均で162,417(2022年度147,786)14,6319.9%アップ。10%以上の値上がりが泉佐野市164,165(12.78%アップ)、大阪市160,78111.71%アップとなっている。いずれの自治体も現在、統一保険料率には合わせておらず、実際のアップ率はそれ以上となる。

2.  大阪社保協作成エクセルデータからわかること

 □シート@統一保険料の推移

        ・2018年度➡2023年度 15%19%アップ。一番値上がりしているのは所得0円世帯。

         下がっているのは、政令軽減の所得条件が上がったことによる。

 □シートA統一国保料と実際の市町村国保料比較・年次推移

        ・2022年度統一保険料に合わせているのは黄色の14自治体

         池田市、箕面市、島本町、守口市、柏原市、松原市、藤井寺市、高石市、忠岡町、

岸和田市、貝塚市、泉南市、阪南市、岬町

2023年度そのまま統一保険料に合わせる可能性大、大きく値上げに。

□シートB中央社保協「全国大都市国保料」調査

      ・大阪府内政令市・中核市の国保料の高さが際立つ

      ・やはり「大阪府統一保険料は日本一高い」のではないか。   

□シートC2020年度(令和2年度)国保特別会計決算資料

       ・2020年度はコロナ一年目で受診控えが起こり医療費が圧縮されたため黒字幅が大きくなったという事情があるが、一般会計法定外繰入を入れていなくても黒字。さらに基金を大きく積み上げ。

       ・2021年度は医療費が増加とのアナウンスはあるが、それでも赤字に転じたということは考えられない。昨秋の議会で決算は確定しているので確認を。

        ➡ホームページで決算を確認できたところ(一部)

         大阪市 23.9億円黒字

松原市 ▲13.6億円赤字 単年度2.55億円黒字

豊中市 11.8億円黒字   単年度▲3.3億円

枚方市 4.9億円黒字    単年度▲2.6億円

守口市 3.7億円黒字

        ➡詳細不明のため、ぜひ決算書を大至急入手して確認を。また、ホームページ上の決算では基金残高は不明。また基金繰入金は支出に計上されるため単年度赤字でも実質黒字の場合もあり。

3.  2022度自治体キャラバンで各市町村国保担当課長も認める統一保険料の問題点

2008(後期高齢者医療制度スタート)以来、大阪府内市町村国保特別会計は赤字幅を縮小(単年度黒字の積み上げ)し、2017年からは黒字に。

2008年度末時点で大阪府全体で▲805億円の赤字

2021年度末時点では170億円の黒字(加入者一人当9,199)、基金財高は242億円(12,952)に。

◆こんなにも黒字なのになぜ年々統一保険料があがるのか。

◆市町村単独の国保であれば、黒字は保険料据え置き、または値下げのために次年度繰り越しが出来たが、現在はたとえ黒字であっても高い統一保険料に合わせるために繰り入れられず結果、基金に積み上げることになる。

◆大阪府統一国保といえども会計は市町村単位。市町村が持つ基金=黒字分を事業費納付金に繰り入れることは不可能であり、保険料の算定基礎である事業費納付金そのものを縮小することが出来ず、保険料値上げを招いているのではないか。

4. 国保加入者はコロナ禍と物価高の打撃を最も受けている人たち

◆コロナ禍による困窮世帯は国保に加入

・国保被保険者の半分が自営業・フリーランス・被用者(非正規雇用労働者)=コロナ禍の影響を最も受けている人たち。そのため、国保料そのものを下げることがコロナ対策としても最も有効。国保料は税・社会保険料で最も高いため、免除等されると結果的に実質賃金・可処分所得が増えることとなる。

 

◆物価高対策するなら国保料減免を

・大阪府知事が昨年突然「物価高対策として子どもに米10Kを給付する」とぶちあげ賛否両論となったが、最終的に申請により5千円のデジタルクーポンを給付するということになった。5千円程度の給付を市町村に人件費や事務費をかけてするより、例えば国保料の子どもの均等割を無料にすれば、事務費もかからず非常に有効。物価高で困っている世帯はほぼ国保に加入している。

・例えば大阪市の一人当均等割は医療分27488円+支援分8967円=36455円になり、もしこれが無料となれば困窮世帯には大変ありがたい施策となるし、事務費は新たにかからない。国制度としての子どもの均等割半額減免は就学前までであり不十分。

5. 23月議会にむけて、さらに4月の一斉地方選挙にむけて今地域で何ができるか(緊急提案)

 ◆市町村議会で国保料値上げの議論がされるようにするために

  ・「コロナ・物価高対策として国民健康保険料引きさげを求める請願」の提出ができないか

    ➡団体請願・個人請願などの検討を

 ◆市町村担当課との緊急の懇談・話し合い

 ➡そのまま統一保険料に合わせてあげるのか?住民の困難に目を背けるのか?

 ➡来年度国保料はコロナ禍と物価高による影響を受けた被保険者救済のために必ず引き下げること、原資は積みあがった基金の活用を。そのために国保会計決算の分析を。

 ➡2024年度都道府県国保運営方針改定にむけて「国保統一」を書き込まないよう市町村から意

見を上げることを求めること。

 ◆大阪の国保料がいかに高いかがわかるようなチラシを作成

 ◆大阪府議会議員・市町村議会議員選挙候補者への地元からの訪問・働きかけ

    

 国民健康保険法第一条に「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と明記されている。国保は総合扶助・共済ではなく、また公助でもなく、社会保障制度である。国保が貧困を拡大するなどもってのほかである。今一度、法の精神に則り、国保が困難な人たちを救う制度にしていくために、今年の2.3月議会と統一地方選挙を好機としよう。

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★意見交換

 各自治体でも当局から値上げの提案がされており、報告がありました。

・太子町 現在統一国保料に合わせていないが、合わせるために一律に大はば値上げ提案

・寝屋川市 基金全額を投入し上げ幅を圧縮する。

・四條畷市 基金取り崩しと高い収納率を見込んで15000円値上げに圧縮したいという提案

・大阪市 21日国保保運協。大阪府統一国保料に合わせると13.9%アップになるが、基金83億円のうち28億を繰入10.3%15000円値上げ提案。きょうかい健保委員からも「あげすぎではないか」との意見。一方、自民党・公明党・維新からの委員は一言も発言せず。10%以上の値上げ提案などかつてなかった、初めての異常事態。

・熊取町 210日国保運協。33日に町会議員選挙候補者説明会があり、社保協として候補者全員にアンケートを実施予定

★大阪府統一国保は法律でもなんでもない。単なる申し合わせでしかない。1つでも大阪府に従わない自治体を作っていくことが重要、との意見も。

参加者のおひとりからは「大阪府統一国保は法律でもなんでもないし、大阪府に従わない自治体が一つでも生まれれば統一にはできない」声も出されました。確かにそうです。これから2が月の地域での取り組みが大変重要です。今すぐ議論し動きましょう。

 

【請願書 案】

                                                20232月   日

●●市町村長●●●● 様

                                            請願団体

●●●社会保障推進協議会

                                            代表者名

                                            連絡先

 

コロナ禍・物価高対策として国民健康保険料引きさげ

を求める請願書()

 

【請願趣旨】※なお、請願趣旨の内容はその自治体の状況を踏まえて入れこむことが望ましい。たとえば黒字を大きく出して基金が大きく積みあがっている自治体など。

国民健康保険は法の第一条に「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と明記されている社会保障制度です。さらには今般のコロナ禍と物価高で一番影響を受けている人たちが加入しており、まさに困難な人たちが加入する医療保険のセーフティネットです。

しかし、2024年度に「統一国保にする」という目的のために2018年度以降、国民健康保険料(国保料)は上がり続け、大阪社会保障推進協議会試算では2018年度に比較し所得ゼロの4人世帯(40歳代夫婦と小学生・中学生のこども)の国保料は18.6%もの値上げとなっています。

中央社会保障推進協議会が実施した全国大都市国保料調査によると「大阪府統一国保料」は全国一高い金額となっています。

16日「令和4年度 第3回大阪府市町村国民健康保険主管課長会議」において来年度の統一保険料率が出されましたが、府平均で一人当保険料が162,417(2022年度147,786)14,6319.9%アップとの信じがたい金額となっており、困窮世帯にとっては数か月分の米代に匹敵し、まさに「国保料を支払うためにご飯が食べられない」「国保が貧困を作り出す」事態となるのは必至です。

いま必要なのは、コロナ禍・物価高対策として国保料引きさげです。

つきましては以下のように請願いたします。

 

【請願内容】

 一、コロナ禍・物価高対策として2023年度国民健康保険料の引き下げを行うこと。

 一、「国保統一」ありきで大阪府民・市町村民を置き去りにする方針を撤回するよう大阪府に意見を上げること。

 

 

 

2022.11.6シンポ「大阪のコロナ禍3年を検証する〜医療・保健所・介護・障がい・保育現場から」報告集が出来ました。

 

大阪社保協加盟団体と地域社保協、個人会員には一冊ずつ無料送付しました。実際に手に取りお読みいただき、ぜひ追加注文をお願いします。