大阪社保協通信 第1255号 2022.4.30
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来期「くすのき広域連合」が解散へ〜これまでの経過と今後の取り組みについて
★「くすのき広域連合」解散について〜経過
守口市・門真市・四條畷市の3市は、2000年度の介護保険事業スタートから、運営を「くすのき広域連合」で行ってきましたが、第8期介護保険事業計画期間(2021年度〜2023年度)の終了をもって解散し、2024年度からは、それぞれの自治体で介護保険事業を運営することとなりました。
「くすのき広域連合」は、地方自治法第291条に規定されている「広域連合」で、当初は7市(守口市、枚方市、寝屋川市、大東市、門真市、四條畷市、交野市)で構成する北河内広域行政推進協議会で介護保険を初め、ごみ問題等の各市共通課題への対応について議論されていたようですが、1998年10月には介護保険の広域処理について「基本合意書」が3市長で調印され、1999年4月に大阪府に広域連合の設立許可申請、そして設立、2000年4月から事業運営が開始されました。「財政基盤の安定、事務の効率化、要介護認定の平準化が図られ、サービス基盤の整備にも効果的」(第1期事業計画)だとしてこれまで運営されてきました。
しかし、その後の介護保険制度の変遷の中で、くすのき広域連合では2017年4月から介護予防・日常生活支援総合事業が開始されましたが、議会から「3市の状況が違うなか、総合事業の移行にあたっても、広域連合のあり方を検証すべき時期では」との発言があったこと、第7期くすのき広域連合介護保険事業計画(2018年度〜2020年度)では、介護保険料基準額(6,748円)が府内で3番目に高い保険料となったことから、コンサルタント(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)に評価・効果検証業務を委託するなど検証作業がすすめられてきました。
こうしたなかで、第8期くすのき広域連合介護保険事業計画(2021年度〜2023年度)が策定され、2021年4月に東市長(四條畷市)がくすのき広域連合長に就任。基金14億円を取り崩し、第7期の介護保険料基準額を維持したものの、府下5番目に高い保険料で、第9期の介護保険料基準額は大幅な上昇が見込まれ、何らかの方策が必要と、広域連合の現状把握、事務改善などについて内外関係者とのヒアリング及び意見交換を実施し、その結果を踏まえ、昨年8月27日開催のくすのき広域連合長臨時会議において、広域連合を解散する方向で正式に合意に至りました。
その後は、各市議会の昨年の9月定例会において市長が報告、くすのき広域連合の解散に関する関係議案の議決を経て本年3月に大阪府に解散を申請し、正式に解散が決定しました。
新年度に入り、3市で連携しながらも、各市では独自の介護保険事業運営に向けて様々な検討がすすめられています。
これまで地域の実状に応じた介護保険事業を進めるために、解散も含めくすのき広域連合の在り方の検証を求めてきましたが、「解散」でハッピーというわけではありません。
広域連合から各市での事業運営にあたっては様々な課題があり、要求運動や議会での論戦で、介護サービスや介護保険料の独自の減免制度の充実を求めていくことが重要です。
あと2年弱ですが、大阪社保協のみなさんと連携して頑張りたいと思います。
(門真市議会議員 福田英彦)
★「くすのき広域連合」解散にあたっての大阪社保協の取り組みについて
私たちはかねてより「広域連合」は住民の声が反映しにくく、高齢者の実態に即した介護保険運営が行いにくい仕組みであることを指摘してきました。また、広域連合で行う介護保険事業と各市の老人福祉施策が一体的に実施できないという問題も指摘してきました。また、広域連合議会は形骸化しており、年に2日しか開催されず、介護保険料の問題などが門真市・守口市・四条畷市の首長および市会議員選所の争点にならないなどの問題点も指摘してきました。
そうした中、特に高額介護保険料、とりわけ3市の格差などが問題となり、解散へ一気に動き出しました。しかし、守口市・門真市・四條畷市では20数年間の介護保険事業の空白があります。
大阪社保協として、介護保険対策委員会に守口市・門真市・四条畷市の議員にご参加いただき、情報収集を行いながら、3市に対して介護保険事業に移行するにあたって、よりよい介護保険事業とするために、当面の要望を行い、懇談を申し入れることとしています。また、この件については、守口・門真・四条畷の各社保協のみなさんにも声をかけ、懇談会等を行い、一緒に取り組んでいく予定です。
「9000円」の賃金改善で終わらせてよいのか? 「国政に介護の声を!」オンライン懇談会 開催趣旨 政府は「新しい資本主義の目玉政策」の一つとして介護職員に「月9,000円の賃金改善」の補助金を予算化しました。しかし、全産業平均の賃金水準とくらべ約9万円もの格差があるにもかかわらず、あまりにも低く、対象も限定されています。また今年10月からは「介護報酬の加算」とされ、国庫負担はわずか4分の1で残りは介護保険料と地方負担に転嫁され、利用者負担も上乗せされるという矛盾に満ちたものでした。さらに次期制度改定に向けた検討も始まり、利用者負担の引上げ、ケアプラン有料化、軽度者切り捨てなどが企まれています。私たちは介護労働者の賃金改善をはじめ「まったなし」の課題解決のため、介護現場の声を国政に届け、ともに考えるため国会議員(社民党・日本共産党・れいわは確定)とのオンライン懇談会を開催します。 ☆日時 2022年5月20日(金) 時間18:30〜20:40 ☆主催 大阪社会保障推進協議会 ☆会場 大阪民医連会議室+Zoom ZoomミーティングID: 849 1488 8195 パスコード: 836252 https://us02web.zoom.us/j/84914888195?pwd=YjdhdHd2NWRZUnBmTERvb0FzYUE5dz09 |
シンポジウム「ケア労働者の処遇改善を」にぜひご参加を!!
2年以上続くコロナ禍のもと、医療・介護・保育・福祉などの現場で働くケア労働者が社会に必要不可欠なエッセンシャルワーカーとされる一方で、その役割に見合った処遇ではないことがマスコミにも取り上げられるようになりました。そもそも、この間の社会福祉関連予算の自然増分の抑制などで、介護・福祉職場では職務にふさわしい賃金、人員体制になっておらず、現場労働者の「使命感・責任感」頼みで現場が回っているのが現状です。事業者からも利用者が安心して利用できるよう、診療報酬・介護報酬・公定価格の改定の声が上がっていました。
そうしたなか、岸田政権は、看護、介護、保育などのケア労働者の処遇改善を図ることを表明し、2022年2月から9月までの間に限り、経済対策として処遇改善事業が実施されました。しかし、岸田政権の目玉政策のひとつであったにもかかわらず、利用申請等の手続期限が短期間だったために多くの自治体労働者の改善につながらなかったことをはじめ、民間の事業所でも看護では対象が極めて限定的だったこと、介護や保育でも10月以降の制度の不透明さ、引き上げ額が低いこと、補助金の対象職種・事業が限定的であったこと、などから抜本的な改善には至っておらず、現場で働く労働者には失望感が漂っています。また、事業者からも事業継続を求める声が大きくなっています。
政府は、10月以降の改善について、一般会計で予算を計上していますが、引き上げ額が低すぎることなど処遇改善事業での問題点は放置されています。全ての利用者に安全・安心の医療・介護・保育・福祉が保障されるために、現場で働く全てのケア労働者が誇りを持って働くことのできるよう、ケア労働者の全産業平均との格差是正、職員配置基準の抜本的な見直しなど処遇改善が実行されることが必要不可欠です。
今回のとりくみは、ケア労働者の処遇改善は労働者だけの課題ではなく、全ての利用者が安心して利用できる医療・福祉への政策を転換させていくものとなり、事業者や利用者はもちろん全ての住民の願い合致する、まさに憲法を実行していく課題と考えています。
つきましては、各組織からの積極的なご参加をお願いします。なお、コロナ感染拡大が収束していないため、大阪グリーン会館での参加をご希望される場合は、ご連絡をいただければ幸いです。
記
2.日 時 2022年5月30日(月) 19:00〜
3.会 場 大阪グリーン会館2Fホール 〒530-0041大阪市北区天神橋1-13-15
4.参加者 コーディネーター 石倉康次総合福祉研究所理事長・立命館大学特任教授
パネリスト 保育・学童、障害・介護、看護現場の労働者
5.参 加 ・オンライン参加の場合は資料を送るために大阪労連(info@osaka-rouren.gr.jp)へメールアドレスをお送りください(件名はケア労働者の処遇改善を資料希望)
5.お問い合わせ先 全大阪労働組合総連合(大阪労連)担当:鴻村 博
TEL 06-6353-6421 FAX 06-6353-6420 (info@osaka-rouren.gr.jp)