大阪社保協通信  1168号 2017.11.8

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11.17大東市介護保険総合事業現地調査」まであと10日切る。本日現在参加申し込みは70人。新井康友・調査団実行委員長から参加の呼びかけが届きました!あなたも是非ご参加を!

既にお知らせしているとおり、来る11月17日に大東市介護保険総合事業問題現地調査を実施します。大阪社保協ホームページには「20171117日大東市介護保険現地調査団」のページも立ち上げましたのでぜひご参加ください。

本日、調査団実行委員長の新井康友先生よりみなさんへの「参加の呼びかけ」が届きましたので掲載します。

 

大東市介護保険問題は、大東市民だけの問題だけではない。ぜひ、あなたもご参加を。

 

10月末の衆議院議員総選挙の結果は結果として置いておいたとしても、選挙期間中に各政党から介護問題について全く語られなかったことが残念でした。そして選挙が終わった途端に、財務省は介護報酬のマイナス改定を提案しました。

今回、介護報酬のマイナス改定の槍玉にあがったのは、「訪問介護」と「通所介護」です。その介護報酬のマイナス改定の理由は、利益率が高い、つまり儲かりすぎということです。しかし現実は、もしこのまま介護報酬のマイナス改定が行われると、倒産する介護保険事業所が出てくると思われます。残念なことに厚生労働省も今回の財務省の提案に前向きに考えているようです。

20004月に介護保険制度がスタートしましたが、誰もが安心できる公的介護保障が実現されるどころか家族介護の破綻による介護殺人や介護心中が後を絶ちません。厚生労働省は、このような事件が起きたことを真摯に受け止め、介護保険制度の改善を図るのではなく、さらなる改悪を推し進めています。

 介護保険制度の改悪は、厚生労働省だけに限りません。20154月より要支援者の「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」が市町村事業である「介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)」へ移行されました(完全移行は20174月)。そのため、市町村ごとで総合事業の内容が決められることになりました。各市町村が切磋琢磨して、高齢者の介護保障に取り組むことを期待したいところですが、市町村が率先して介護保険制度から高齢者を排除している実態が漏れ伝わってきています。その代表格が大阪府大東市(人口12.2万人、高齢化率26%、高齢者約3.2万人)です。

大東市は、2017526日に成立した「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」で打ち出された「介護予防・重度化防止のための保険者機能強化」の先進例として紹介されています。大東市の総合事業は完全移行の前年である20164月より実施されました。そして、2017719日に放送されたNHKの「クローズアップ現代」でも「もっともうまくいっている自治体」として大東市が紹介されました。そして放送では、大東市は2016年度の介護給付費を約12千万円の削減、2017年度は約24千万円の削減見込みと紹介されました。介護給付費だけをみると、うまくいっているように見える自治体ですが、本当にうまくいっているのでしょうか?

大東市にある介護保険事業所からは、介護保険制度からの「自立」「卒業」という名のもとで、大変なことが起きていると聞いています。NHKの放送でも取り上げられましたが、デイサービスからの「卒業」(強制的な打ち切り)で行き場を失い、孤立する人や、週1回の通所リハビリテーションの利用が認められず、閉じこもり生活になって病状が悪化し、わずか半年で要支援1から要介護5まで重度化した具体例も報告されています。これは顕在化した事例に過ぎず、まだ明らかになっていない被害もあるかもしれません。

今回、「大阪社保協 大東市介護保険問題現地調査団」は、大東市が売り出している「元気でまっせ体操」などの総合事業を全面的に否定するのではなく、大東市による良い取り組みについては称賛するつもりです。

しかし、大東市が改めるべき内容には妥協を許さず、改善を求める運動に取り組みます。そして調査団としては、大東市が誤りを認め、総括し、明確に路線転換しない限り過ちは繰り返されると考えています。大東市介護保険問題は、大東市民だけの問題だけではなく、大阪府下の市町村にも影響しますし、さらには全国にも影響は拡大します。そのため、1117日(金)に行われる「大東市介護保険総合事業現地調査」には、大東市民だけでなく、多くの方に参加して頂きたいと思います。ぜひ、あなたもご参加ください。

 

実行委員長 新井康友(佛教大学 社会福祉学部)

 

11.17大東市介護保険総合事業現地調査スケジュール

10:30  大東市民会館集合

  調査団学習・意思統一集会

 @NHKクローズアップ現代DVD鑑賞

         A当事者の訴え(ビデオメッセージ、手紙など)

B大東市現地の説明

         C介護保険改定との関係での大東方式の問題点

         D調査団活動の説明

※一部は元気でまっせ体操 見学へ

12:00  昼食・移動

午後  現地調査 基本は 午後1:00〜3:00

@介護事業所訪問・聞き取り調査

        現地で事業所への事前にチラシ・アンケートを届けておき、当日回収し、できれば対話する可能であれば見学も 

 ANPO、集いの場(元気でまっせ体操)訪問・見学

       B大東市出前講座〜介護保険・介護予防と元気でまっせ体操

       C現地市民相談会

15:00 大東市役所前 集会・アピール行動

16:00 総括集会

17:00 終了・解散

★本日現在、大阪社保協に届いている申し込みは70人、各地からの参加は大東社保協をとても励まします!

 本日現在、まだ、参加申し込みは70人です。門真社保協からは9人、そして松原社保協、羽曳野社保協関係、大阪狭山社保協、北区社保協、大阪民医連など各地からの申し込みが次々と入ってきています。弁当発注の関係がありますので、必ずメールかfaxでの申し込みをお願いします。チラシはこちらです。

http://www.osaka-syahokyo.com/17daitou/g20171117.pdf

 

国保都道府県単位化問題〜全国、そして大阪はどうなっているのか

★いま、どのような状況か

2018年4月からの道府県単位化にむけて、2016年11月末第一回目、2017年1月末2回の事業費納付金・標準保険料率試算を終え、7月に出された新たな公費1700億円の交付についての通知を受け、さらに激変緩和の試算も含めて8月末に第3回試算を厚生労働省に報告をしました。

厚生労働省は事業費納付金・標準保険料率策定のための標準システム本稼働版を96日付で都道府県に配布し、919日には2018年度推計を前に都道府県があらかじめ決定すべき係数として@都道府県統一の賦課限度額A都道府県繰入金B特例基金繰入金C高額療養費負担金等・特別高額医療費共同事業負担金等D都道府県事業費E標準的な保険料収納率F審査支払手数料等についての通知を行いました。

1023日に平成30年度予算推計ベースとした仮係数全国に通知。30年度推計では国保の財政基盤強化の為の30年度から新たに追加投入する国費1700億円の約9割にあたる約1500億円を反映させるなど、より本番に近い形での試算が11月中に行われることとなります。

★全国の状況について

8月末集約の第3回事業費納付金・標準保険料率試算は公表を前提として厚生労働省から通知が出ていたため、第1回・第2回試算を公表していなかった多くの都府県も公表しました。

2017117日現在、各都道府県のホームページに掲載されている「国保運営方針」案・骨子・たたき台及び第3回試算を集約したものを別表で添付しますのでご覧ください。茨城県・群馬県・山梨県・岐阜県・三重県・奈良県・山口県・佐賀県・長崎県は、運営委員会資料等が見つからなかったため、空白としています。

★大阪府国保1025日にやっと「第二回試算」市町村に説明される

8月末には公表するとしていた大阪府事業費納付金・標準保険料率(統一保険料率)2回試算(国においては第3回試算)は、遅れに遅れ、最終的に1025日「平成29年度大阪府市町村国民健康保険主管課長会議」の場で市町村に説明されました。そして、大阪府から大阪社保協に試算資料がメールで送られてきたのは1027日でした。この全資料は大阪社会保障推進協議会ホームページに既にアップしていますのでご覧ください。http://www.osaka-syahokyo.com/16kokuken/s20171025.pdf

資料2に標準保険料率(=統一保険料率)と各市町村必要保険料試算が出ていますが、2月に公表された第一回試算の時に比較されていた「繰入後」(実際の保険料)を掲載していません。大阪府内市町村は一般会計法定外繰入をして保険料負担の軽減を行っています。

さらに他の都道府県が行っている「激変緩和措置」の試算もしていないことも驚きです。大阪府主導で20155月から全国に先駆けて「統一国保」めざして突っ走ってきましたが、今年度全ての担当者が配置転換となり、市町村の合意も得られず混乱した中で「一人当保険料」試算をするのが精いっぱいで、激変緩和措置まで出来なかったのではないでしょうか。

1025日の大阪府による市町村への説明が非常に不十分で、市町村は混乱したと聞いています。現在今月13日まで、法定意見聴取が続けられています。

一方で、府民向けには1030日から1129日まで、「大阪府国民健康保険運営方針(素案)」に対するパブリックコメント募集も始まりました。

http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=29056

 

大阪社保協として近日中に大阪府による「第2回試算説明会」を開催するよう強く求めています。

 大阪社保協が独自で作っている2017年度モデルケースごとの保険料一覧の一番上に第2回統一保険料を入れておきます。色を付けている部分は、現在の保険料の方が高いところです。

 

モデルケースごとの2017年度国保料と第2回統一保険料試算との比較 大阪社保協作成

  @現役40歳代夫婦と未成年の子供2人の4人世帯の国保料

  A65歳以上74歳以下で年金生活者高齢者夫婦のみ世帯

  B40歳母と未成年の子ども2人のシンママ世帯

 

所得100

所得200

所得300万円

@

A

B

@

A

B

@

A

B

2回試算

統一保険料

201,150

164,704

174,151

402,151

296,872

392,620

580,918

406,172

526,920

1

大阪市

184,085

123,653

165,882

377,240

283,644

377,410

522,118

393,744

515,710

2

豊中市

161,528

130,297

138,085

318,244

230,054

309,170

456,055

310,754

409,170

3

池田市

228,386

175,996

196,441

457,211

320,394

443,537

660,927

440,994

597,037

4

豊能町

185,100

153,100

160,300

364,300

268,500

358,200

521,700

361,100

471,900

5

能勢町

188,200

153,300

165,300

381,300

283,000

375,000

555,000

392,600

509,200

6

箕面市

218,168

161,081

181,268

427,048

288,181

405,568

609,768

392,481

535,968

7

高槻市

155,012

142,696

148,190

326,357

263,784

339,610

484,254

366,384

470,610

8

島本町

203,591

165,171

180,201

412,037

299,787

408,021

599,101

411,887

552,321

9

茨木市

198,919

160,656

173,089

398,223

291,396

390,299

575,659

400,196

523,999

10

吹田市

181,200

165,792

169,505

376,330

305,725

386,695

554,584

424,025

531,195

11

摂津市

186,272

118,596

162,112

373,028

270,558

365,612

539,334

371,658

491,012

12

守口市

198,440

168,910

175,940

397,290

303,300

395,920

574,320

414,000

529,320

13

門真市

186,340

151,050

162,470

381,340

286,210

370,860

557,710

403,210

509,960

14

大東市

195,200

160,800

172,000

399,900

299,600

392,500

585,200

418,000

538,900

15

四條畷市

194,870

154,060

169,310

397,070

288,160

385,690

579,400

402,960

528,290

16

寝屋川市

180,600

144,600

157,700

370,100

272,500

360,300

541,600

382,700

495,800

17

枚方市

182,200

147,400

160,700

375,800

278,500

367,900

551,800

391,500

551,800

18

交野市

192,700

156,600

168,700

387,900

285,500

381,200

562,200

393,300

514,000

19

東大阪市

195,535

155,811

172,135

400,463

293,415

392,615

585,915

411,915

539,116

20

八尾市

198,912

160,089

173,742

406,524

300,261

396,192

594,132

420,561

543,792

21

柏原市

208,619

166,109

184,619

428,095

311,449

421,279

626,979

436,149

578,979

22

松原市

213,384

170,918

188,004

435,420

317,710

427,884

635,844

442,710

585,084

23

羽曳野市

194,156

153,451

171,041

396,941

286,469

389,701

580,231

400,169

534,001

24

藤井寺市

197,100

161,100

173,700

401,000

298,800

394,700

584,500

415,800

537,700

25

大阪狭山市

187,391

147,705

163,541

375,951

267,465

369,091

544,091

366,965

496,391

26

富田林市

202,180

162,340

178,120

412,160

301,590

405,190

601,600

420,090

553,490

27

太子町

181,367

146,579

158,027

362,605

264,559

356,017

523,797

362,259

477,117

28

河南町

183,087

145,801

159,087

365,357

262,421

358,137

527,237

358,721

479,237

29

千早赤阪村

133,544

98,137

116,433

270,002

177,949

263,951

392,374

244,349

358,151

30

河内長野市

204,151

159,988

179,491

415,325

294,224

407,921

605,541

407,424

556,221

31

堺市

183,082

148,678

160,942

374,618

276,590

366,962

547,842

385,590

503,562

32

和泉市

184,340

151,078

162,740

412,900

279,590

369,700

546,900

388,590

503,700

33

高石市

221,582

176,483

191,582

446,982

324,583

434,182

648,782

449,483

588,782

34

泉大津市

186,900

151,400

165,400

420,600

284,200

377,500

561,600

398,200

518,500

35

忠岡町

197,298

160,838

174,028

398,739

293,788

393,893

579,333

405,188

532,793

36

岸和田市

216,675

179,304

191,875

443,855

336,684

437,375

649,475

471,884

599,875

37

貝塚市

192,560

159,730

170,560

432,310

298,730

388,310

538,660

417,730

521,660

38

泉佐野市

195,700

161,500

173,600

402,200

305,100

396,200

589,600

429,100

545,200

39

田尻町

179,126

147,862

159,656

369,065

279,235

364,829

541,661

329,635

502,723

40

熊取町

289,913

169,922

206,368

424,213

274,722

340,668

558,513

379,522

474,968

41

泉南市

197,800

162,800

176,500

408,800

308,900

374,600

601,000

435,400

558,400

42

阪南市

212,790

138,140

188,870

437,170

318,210

431,110

640,650

445,210

592,810

43

岬町

205,011

158,534

177,231

413,113

287,578

401,421

599,281

394,978

543,721

平均

194,954

154,141

170,337

394,770

287,512

383,091

568,285

397,421

523,306

 

 

 

は現行保険料が統一保険料より高い

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 今後の介護・企画のお知らせ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

1117()大東介護保険総合事業問題現地調査団(1030- 大東市民会館)

1118()3回幹事会(1400- 大阪府保険医協会)

1120()近畿ブロック事務局会議(1500- 大阪社保協)

1127()泉州ブロック会議(1400- 岸和田市総合福祉センター)

1130()滞納処分対策委員会(1900- 彩法律事務所)

127() 事務局会議(1400-)

              シングルマザーとこどものサポーター養成講座B(1830−ドーンセンター)     

1221()大阪社保協第7回常任幹事会(1800- 国労会館2回円卓会議室)